俋俋乎耕而不顧(ちつちつことして耕して顧みず)

タイトルは荘子から借りました。論理学と東洋思想を比較しながら、科学、芸術、スポーツについて日頃感じたこと、考えたことを書いていきたいと思います。

Steel Ball Runで哲学をする①知性とは何か

これから何回かに渡って知性とは何か、について考えていきたいと思う。 ここで考えていこうとしているのは、弱いAIには無く、強いAIに必要とされるモノである。また、猫や犬、カラスなどが持っていて、IBMのワトソンのようなものには無い能力である。よって…

ヨーダの言葉

人は誰でも、目の前の事象を見て、仮説を思いつく。科学者にとっては検証することが大切だ。ところがこの検証するというのは、言うほどやさしくはなく、訓練と忍耐強さを必要とする。 思い浮かんだ仮説をあたかも真実であるかのように主張する人間、盲信する…

観自在であること

これまで我々が物事を考える時には抽象化が必要だということを述べてきた。 抽象化とは、まず言葉により物事を表現すること。科学においては、もっとも適切なモノサシ、尺度を選び、その定義の中で比較を行う等をしていること。そして事象を見て思い浮かんだ…

無知の知。どんなに考えても自分が正しいと思い込んでいる人間は間違っている。

たとえどんなに勉強し、知識を学んでも、たとえどんなに論理的に自分の考えを主張しても、自分の考えが正しいと思っている以上、それは正しくない。 科学者はそんなことをやっている訳ではないし、芸術家でも、アスリートでも、はたまたビジネスマンでも一流…

世界を抽象化して眺めてみる。モデル化するという行為。

世界をモデル化するということは抽象化した世界で考え、現実に当てはめるという行為である。 ニュートンは木からリンゴが落ちるのを見て万有引力の法則を思いついたとか。。。 その真偽はともあれ、ニュートン力学では物体の垂直方向への自由落下速度は、重…

映画『メッセージ』と神道、禅

今日、やっとのことで厚木まで行き、観そびれていた映画『メッセージ』を観てきました。 個人的にはなかなか良かったです。 詳しい考察は、いつか映画を見直すか原作を読んで書きたいが、忘れないうちにメモ程度にポイントをまとめておきます。故に論理展開…

モノサシを決めるということ

いきなりだが、下の2枚の写真を比べてみよう。 無茶なことを・・・とお思いだろうか? まあ、とにかくやってみて欲しい。 ”人の数を比較する”、”空の青さを比較する”、”木の数を比較する”、・・・自由にモノサシを決めれる筈だ。 しかし、これらのモノサシが…

情緒の世界。現実と言葉の間。

我々は考える時、普通、言葉を使う。 その言葉の生まれる瞬間について書いてみたいと思う。 まずは、下の写真を見て欲しい。 下手くそで見るに堪えない、と思われた方は自分のお気に入りの写真でも何でもいいから別途用意して欲しい。 とりあえず自分の写真…

科学者にとって関わりたくない人

自分自身偉そうなことは言えないが、科学者にとって関わりたくないタイプの人がいる。 自分が主張しているのが仮設に過ぎないとも気付かず、あれこれ主張してくるタイプ。そんな人間とは議論にもならないし、一緒に仕事をすることになったら最悪である。そう…

人は知識で知るのか?心で感じるのか?

最近、と言っても一か月以上も前なのでちょっと曖昧だが、アマゾンの動画で”エクスマキナ”というAIものの映画を見た。個人的にはなかなか面白かった。 その中で、こんな感じの場面があった(字幕なのだが)。 白黒の世界に住む色の専門家の話。色の専門家は…

3つの解決方法

よくある例え話だが、乗っていた船が難破し、救命ボートに乗り移ったとする。乗ってるのはあなたを含め3人。幾日も漂流し、食糧も尽き、水もあと僅かしかない。このままでは日が沈む前に皆生き延びられないだろう。明日まで生き延びるには誰かに犠牲になって…

センスとアート(2)

我々は対象物を見て、それを様々な言葉に写し取る。 芸術であれ、スポーツであれ、科学であれ、現実世界で世界で実績を残している人は皆、対象物の本質と言うか、ありのままを捉えるのが上手い。そして時には言葉に表しきれなくなってしまう。 自分の本職は…

センスとアート(1)

絵でも写真でも、お気に入りのグッズでもいい、なんでも良いので身の周りにあるものをちょっと眺めてみて欲しい。 しばしの間。。。何かを感じただろうか? 『空の青がきれい』だったり、『懐かしい思い出がこみ上げてきたり』、『清流の流れる音の中でキャ…

技術を超えたもの

先日、『セッション』という映画を見て、荘子に出てくる丁という名の料理人が、文恵君の前で牛の解体をする話を思い出した。彼が牛を解体する時は、得も言われぬ調和が生じ、周囲に響き渡るというのである。丁が言うには、それを足らしめているのは技ではな…