センスとアート(1)
絵でも写真でも、お気に入りのグッズでもいい、なんでも良いので身の周りにあるものをちょっと眺めてみて欲しい。
しばしの間。。。何かを感じただろうか?
『空の青がきれい』だったり、『懐かしい思い出がこみ上げてきたり』、『清流の流れる音の中でキャンプした楽しい思い出』だったり、『つらい思い出』だったり、『なんとなく心が落ち着いたり』、『わくわくしたり』。いろんな言葉が浮かんだりしないだろうか?
そして、少し戻って考えて欲しい。ものを眺めて、言葉になるまでにギャップがないだろうか?何かを眺めて、感情がワーッと広がって、その後で言葉が浮かんでくる、そのギャップ。
我々は、何かを感じ、思い、考える時に言葉を使う。しかし、言葉になった瞬間に真実は限定されてしまう。
知り合いのM子さんはセミプロの歌手である。普段は口達者な彼女が大好きなアーティストを語る時、そのアーティストを思い浮かべながら、『えーと、なんて言うか、、、、えー、兎に角、・・・素晴らしいのよ』と“素晴らしい”としか表現できなくなってしまう。
ボクシングの師匠のWさんはパンチのコンビネーションを表現する時に『そこはバン、バン、バンではなく、ババン、バーンだ。自分のパフォーマンスを見せるつもりで』と野球の長嶋さんみたいな発言で自分を途方に暮れさせる。
〈つづく〉